「マイルールは生きていくための工夫なんです。」マイルールが教えてくれた、一人ひとりの歴史

誰もが持つ「マイルール」を文字とイラストで表現
2026年2月25日から3月3日まで、茨木市文化・子育て複合施設おにクルにて「マイルール展‐クセはその人の歴史‐」を開催しました。またこの期間は、NHK主催の「ハート展」が開催されており、その隣という素晴らしい環境で、多くの方に足を運んでいただくことができました。
展示のテーマは、ずばり「マイルール」。当法人の事業所を利用されている方や職員、そして職員の知人など、さまざまな人が日常でついついやってしまうクセや、手放せないこだわり、日々の習慣を募集し、それを温かみのある文字とイラストで表現しました。
「あるある」から「歴史」へのシフト
実はこの展示会、最初から今の形だったわけではありません。元々は法人職員の「ご利用者さんの様子を知ってもらう展示会をしよう」という何気ないアイデアから始まりました。当初は、ご利用者さんや職員の“やめられないクセ”を集めた「やめられない展」という企画で進んでいました。しかし、企画を練る中で私達の中に一つの気づきが生まれました。
それは”私たち一人ひとりが持つ、クセやこだわりを“その人が生きていくために身につけた工夫(歴史)”として捉えたら、もっと面白いのではないかということです。日々の支援のなかで、私たちはご利用者さんの予想外の行動やこだわりに驚かされたり、時にはそれがその方ならではの「愛されポイント」だと気づいて笑顔をもらったりしています。
そうした視点で改めて見つめ直したとき、誰もが持っているクセや習慣は、決して直すべきものではなく、「その人がこの社会で生きていくために、一生懸命身につけた工夫」であり、「その人の歴史そのもの」なのではないか。そう捉えたらもっと面白い展示になるのではないかと考え、この「マイルール展」が誕生しました。
クセを知ることは、その人の背景を知ること
展示された数々の「マイルール」のなかで、ひときわ来場者の心を和ませたエピソードがあります。それは、「エビフライの尻尾を食べる」というある方のクセです。一見すると単なる食の好みのように思えますが、実はそこには「兄弟や親に、大好きなエビフライを食べた数を悟られないようにするため」という、子供時代の切実で可愛らしい理由が隠されていました。
この背景を知った瞬間、「尻尾まで食べるクセ」が、幼い頃の食卓の光景や、大好きなものを守ろうとしたその人の微笑ましい歴史へと変わります。
会場には他にも、飼い猫を「主(あるじ)」として崇拝し敬語で話しかけてしまうというマイルールや、初めて眼鏡を作った日に眼鏡屋さんから教わった教えを守り、今でも必ず左側から畳むマイルールなどが展示されました。それぞれのパネルの下には「わかる!」「なるほど!」と感じた気持ちをシールで投票できる仕組みを用意し、来場者の皆さんがお互いのルールに共感しながら楽しんでくださる姿がとても印象的でした。
お互いの「マイルール」を面白がれる社会へ
今回のマイルール展を通して、障がいの有無に関わらず、人は誰しも自分だけのルールを持って生きているということを、改めて実感することができました。これからも、お互いのちょっとしたクセやこだわりを「人間だからそういうときもあるよね」「それもその人のおもしろさだよね」と笑い合える、そんな雰囲気を大切にしていきたいと思っています。
推進課 上山



