新卒採用

「かつらぎ」勤務
大阪音楽大学で音楽(ホルン)を専攻、卒業後は福祉法人へ就職。
3年目スタッフ。プライベートではオーケストラに加わり演奏会も開催。
福祉の仕事を志したきっかけは、音楽大学時代の教育実習でした。教員免許を取得するために支援学校や障がい者施設での実習があり、そこで障がいのある方と出会ったことが私の将来に大きな影響を与えました。最初は音楽を教えたいという思いで教員を目指していましたが、実習を通して支援の仕事に強く惹かれていきました。
実習をきっかけに、自閉症や強度行動障がいのある方の支援をするアルバイトを始めたんです。障がい者支援に携わるなかで、行動障がいのある方が日常生活に影響を与える行動、例えば服を破いてしまったり、物を壊してしまったり、粗暴行為をしてしまったり、そういった行動の原因を考えていくことが興味深くて。思いきって福祉の世界に飛び込みました。
音楽教員からの急な進路変更。福祉の道へ進もうとこの事業団を選んだのは、本当に正直に言うと、たまたまネットで見かけたのがきっかけなんです(笑)。アルバイトしていた施設の方の「大阪のなかでも、すごく障がいに特化した事業団だよ」という言葉にも背中を押されました。調べるうちに、ここで支援をやりたいと思い志望しました。
就職する前に見学させてもらったのですが、そのときに出会った先輩方の支援に関する知識の広さや志がすばらしくて。「絶対ここで働きたい。この施設ならもっと専門的に学べるはず」と強く思いました。また実践している支援内容が、私が支援に対して抱いていた課題や考え方と合致したことも決め手になりました。
今年で入職3年目。すごく楽しいです。大変なことはあるけれど、支援がぴたっと型にハマってご利用者さんのできることが増えたときにはやりがいを感じます。ご利用者さんが安定した生活を過ごしていただけるよう日々支援に取り組んでいます。
ご利用者さんは20〜30代の男性が多く、力も強く、噛み付きといった粗暴行為が激しい方もいます。男性ユニットに女性のスタッフは正規スタッフでは私1人だけなので、やっぱりできることには限界があります。力では負けてしまうので何かあった時は男性スタッフに助けを求めますが、そういったところで自分の存在意義がわからなくなるときもあります。そんな時は、「ご利用者さんが少しでも過ごしやすい環境を整えることが自分の役割なんだ」と言い聞かせながら取り組んでいます。
私が担当するご利用者さんは、会話をしたり感情を表情で表したりすることが難しいので「ご利用者さんの笑顔がやりがい」とは言えませんが、それでも支援していて最後はやりがいというか嬉しさはあります。責任感や使命感に駆られていると言った方が近いかな。日々、満足感を得ながら支援しています。
障がいのある人もない人も同じように特性や特徴があるので、専門的な知識を備えることによって、社会とご利用者さんをつなぐ架け橋のような存在になれたら、そんな仲間が増えるといいなと思っています。
正直、自閉症や強度行動障がいのある方たちの支援は大変です。例えば、服をビリビリに破ってしまうなどの衝撃的な場面に出くわすことも多い。私の場合は驚きよりも、「どうしてそういった行動をしてしまうのだろう」と考えてしまう気持ちの方が勝っています。
日々予想外の行動に驚くことも多いのですが、「どうしてそういう行動を取ってしまうのか」と考える姿勢があれば、それを“支援のおもしろさ”と捉えることもできるかなと思います。服を破いている方がいたら、また買ってこないといけないって思う前に「なんで、服を破いてるんだろう?」とか。そういう風に思考や捉え方をシフトチェンジできる力、どんな仕事でもやりがいを見つけられる力は、ここでは強みになると思います。
今後については私もまだあまり深く考えられていませんが、今は、ご利用者さんが安心して過ごせる環境を提供できるように、そしてご利用者さんの特性や個性を尊重した支援ができるように、支援者としてのスキルをさらに磨いていきたいと思っています。
「にじょう」勤務
神戸学院大学大学院(心理学専攻)卒。公認心理師・精神保健福祉士。
4年目スタッフ。
大学では心理学と公衆衛生学について学び、修士論文は「心理療法へのアクセス改善」がテーマでした。うつ病などいくつかの精神疾患に対して効果的な心理療法はありますが、精神科や心療内科等を利用する人がまだまだ少なく心理療法が活かされていないのが現状。そこに課題を感じ、公衆衛生的なアプローチを用いて心理療法を提供する方法を検討しています。精神保健福祉士の資格は、大学を卒業してから大学院に進学するまでの間に、夜間の専門学校へ通い取得しました。
大学の先生から「福祉施設での募集があるよ」と紹介してもらったことが、福祉の仕事に関心を持ったきっかけです。もともと「人」についての興味が強く、人間味を感じられる仕事に就きたいと思っていたんです。福祉の現場ではご利用者さんの感情や行動がストレートに表れますし、働くスタッフにもその人らしさが出る場面がたくさんあります。ご利用者さんの日常を間近で見られるのはとても新鮮で、普段の生活では得られない経験が多いことも福祉に惹かれた理由のひとつです。
ただ、医療・福祉領域で実習をさせてもらったときは衝撃の連続でした。施設に便が落ちていたり、言葉より先に手が出てくる方もいたり、むせながらも延々食べ続ける方がいたり。今までの僕の生活の中では会ったことのないご利用者さんにお会いした衝撃は、今でも覚えています。それでも、福祉の道へ進むことに迷いはありませんでした。今でもそうですが、やっぱり人に興味があるんです。人への興味が尽きない限りはがんばっていきたいと思っています。
今所属しているのは、施設入所支援や生活介護、短期入所、共同生活援助を行う「にじょう」です。私のユニットには20名のご利用者さんがいて、みなさんの生活を日々見守っています。
施設では、1年を通して夏祭りやにじょうフェスタなどのイベントもいろいろと計画しています。印象的だったのが、普段はあまり自己表現をしないご利用者さんが、スーパーボールすくいを始めると昔の経験が蘇ったのか、手慣れた様子で次々とすくっていたこと。なかには金魚すくいをされたことがあるのか、まるでプロのような手つきで上手にすくう方もいて。その姿には驚かされたと同時に、私が知らないだけで、これまでいろいろな経験をされてきたんだなと感じました。
ご利用者さんの新しい一面を発見したり、笑顔で取り組む姿から過去の経験や思い出に触れることができたりと、支援者としてのやりがいを強く実感しています。そんな発見も日々支援する喜びに繋がっています。
この仕事で特にやりがいを感じるのは、ご利用者さんが日々少しずつ変化していく姿を近くで見られることです。24時間ご利用者さんの生活に寄り添うことは大変ではあるけれど、自分でパジャマや寝具を準備できるようになったり、それによって笑顔が増えたり。少しずつできることが増える様子を身近で一緒に喜べるのは大きなやりがいです。
また支援だけでなく、スタッフの働きやすい環境を整えることにも関心があります。スタッフがせかせかしているとご利用者さんにもそれが伝わってしまうから、心の余裕も大事。支援が効率よく進むように事務作業の一部を電子化したり、食事やトイレの誘導のタイミングを少しずつ調整してスタッフの負担を軽減する方法を考えたりと、いろいろなアイデアを試すことができる環境なのも仕事へのモチベーションになっています。
最近、ユニットで高齢知的障がいの方に対する支援方法を検討していきたいと考えており、今年の10月には国立のぞみの園で現任者研修を受講しました。新しい支援方法を自分なりに提案して現場で実践させてもらえるのも、この事業団の懐の広さだなと感じています。
この仕事には正解があるわけではなく、状況が変わるなかで臨機応変に対応しなくてはならない場面も多々あります。その都度、ご利用者さんの気持ちに寄り添いながら柔軟な姿勢で向き合うことが大切だと感じています。
いろいろな状況を楽しみながら、良い意味で楽天的に、「人間だからそういうときもあるよね」と受容できる人、ユーモアを持って対応できる人は、きっと福祉の現場でその力を発揮できるんじゃないかと思います。
日々接していると、ご利用者さんの個性や愛嬌を発見することがあるんです。誰でも愛されポイントを持っているはず。スタッフの間でもよく、ご利用者さんにこういうことをされて嬉しかったよとか、朝来たときに玄関まで来てくれてハイタッチしてくれたよといったような会話が飛び交います。でもその数十秒後、急にコップを投げられたりするんですけどね(笑)。それもその方のおもしろさ。そんな風に、愛されポイントみたいなのものを見つけるのが上手な人と一緒に、より良い環境を作っていきたいと思っています。
「すくよか」勤務
関西福祉科学大学卒。社会福祉士。
6年目スタッフ。趣味は散歩と御朱印巡り。
この仕事を目指したきっかけは、小学生の頃に読んだ福祉に関する漫画でした。主人公は自閉症の男の子で、その家族を支える専門職の人たちの姿を見て、純粋に「福祉の仕事って魅力的だな」と興味を持ちました。
母が介護職で働いていた影響もあって、高校生の時に高齢者施設でアルバイトをしたんです。そこでおじいちゃんやおばあちゃんと話すのがとても楽しくて。動物も好きだったので、動物に関わる仕事を考えたこともありましたが、「やっぱり福祉の道に進もう」と、そのアルバイトを通して決意がかたまりました。
その後、福祉系の大学に進学。社会福祉士の資格を取得するために福祉の制度や障がい者支援について学び、実習では地域を含めた支援センターや特別養護老人ホームで現場経験を積みました。知識と現場経験が重なることで、福祉の仕事に対して理解が深まると同時に、さらに魅了されていきました。
事業団を選んだのは、さまざまな障がいのある方と関われる機会が多いのではと感じたから。また事業所がたくさんあって異動ができること、あとは福利厚生がしっかりとしていることは働く場所を選ぶ上で重視した点です。私が所属している「すくよか」は、比較的休みも取りやすくてすごく助かっています。
働き始めて5年。普段は車椅子生活をしている3名のご利用者さんを担当しています。みなさんそれぞれに特徴があって、特に表情や反応がわかりやすいので、表情を見て気持ちをくみ取りながら接するよう心がけています。逆に、コミュニケーションが難しい方もいますが、眉間のシワや口角の角度など表情の変化や声の出し方などを観察しながら、小さな変化を見逃さないように意識しています。
ここは、支援施設と病院が一体になっています。施設には看護師やリハビリスタッフもいるので、ご利用者さんの体調管理や医療的なケアもサポートできることがこの施設の特徴です。ご利用者さんが体調不良になってもすぐ相談できるし、対応も早くて安心して働くことができています。リハビリスタッフには車椅子からベッドへの移動や歩く時のポイントなども教えていただいて、私自身リハビリの知識も身についてとても学びになっています。
入所施設の魅力は、ご利用者さんと365日関わり続けられること。
通所施設やデイサービスでは1日の限られた時間しか関われません。しかし、入所施設はご利用者さんの24時間をサポートするので、「朝の顔と夜の顔って、全然違うんだな」と、ご利用者さんの違った一面を知ることができます。それは入所施設ならではの特徴かもしれません。またご利用者さんに対する理解も深めやすいかなと感じています。
入所施設は夜勤もあります。日によって入り時間や定時が異なるシフト勤務のため、それになれるまでは最初はやっぱり大変でした。例えば、早出は朝7時出勤で、朝ご飯が終わったらそこからお着替えやトイレ誘導と、10時に次のスタッフが出勤するまでずっと動きっぱなし。体力勝負です。それでも大変なことも楽しいと思えるし、その分うまく乗り越えたときの達成感は大きい。他にはないやりがいを感じています。
小さい頃から憧れていた福祉の仕事。改めて、意義のある仕事だと感じています。単に生活を支援するだけでなく、家族との関係が希薄な方や身寄りのない方など一人で過ごすことが多い方にとって心の支えにもなれる。そんな環境を提供できるのも福祉の仕事ならではの魅力だと思います。
友達には「福祉の仕事って大変そう」とよく言われますが、私はご利用者さんと会話をしたり、みなさんの笑顔を見たりするのが心から楽しいから、辞めたいと思ったことは一度もありません。
一番のやりがいは、やっぱりご利用者さんが喜ぶ姿。私が特に印象に残っているのは、コロナ禍で外出が制限されていたご利用者さんたちが、久しぶりに外出支援を再開できたときのこと。スーパーに行ったり、外食を楽しんだりしてみなさんとても嬉しそうに、「こんなものを買ってきたよ」「おいしいものを食べてきたよ」と笑顔で話してくれました。コロナの影響でずっと我慢していた分、その喜びは一層大きかったようです。外出できることで、日常の楽しみや生活の充実感を取り戻してもらえたことに、支援者としても嬉しかったのを覚えています。
一緒に過ごしていると、「ご利用者さんって本当にすてき」と感じる瞬間が多いんです。みなさんの笑顔が一番の原動力です。
今は365日24時間体制の入所施設で働いていて、ご利用者さんの生活の一部を支えられることにとても魅力を感じています。だからこそ、いろいろな方と関わりながら、もっと多様なスキルを身につけていきたいと思っています。
学生時代にアルバイトしていた児童発達支援センターで発達障がいの子どもたちと接した経験があるのですが、その時ご利用者さんの成長をサポートすることにも関心を抱きました。今後機会があれば、発達障がいのある子どもたちの支援にも関わってみたいと思っています。