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セブンイレブン移動販売車、地域の温もりを特別養護老人ホームへ – 買い物で広がる交流と「当たり前」の喜び-

2025.05.19

「障がい福祉をもっと“ちいき”の当たり前に」。


 この言葉には、誰もが地域社会の一員として、当たり前の生活を送ることができるようにという願いが込められています。今回ご紹介するのは、そんな願いを形にする、心温まるニュースです。

特別養護老人ホーム「かんなびのさと」に、移動販売車がやってきました‼

これまでの「当たり前」と変化

以前は、近所のコンビニが「かんびのさと」に商品を届けてくれていましたが、残念ながら諸事情によりサービスが終了してしまいました。利用者の皆様が楽しみにされていた買い物の機会が失われかけていた時、手を差し伸べてくれたのが、河内長野市でセブンイレブンを経営するオーナーでした。移動販売車という形で、コンビニエンスストアの商品を施設まで届けてくれるようになったのです。

買い物という「体験」がもたらす喜び

移動販売車が到着すると、利用者の皆様は買い物カゴを手に取り、思い思いに商品を吟味します。パン、カップラーメン、お菓子、デザート、飲み物、…普段なかなか外出できない施設生活において、自分の目で見て、触って、選ぶという一連の行為は、何よりも貴重な体験となります。

「どれにしようかな?」
「これ、おいしそう!」

そんな声が聞こえてくるたびに、私たちも心が温まります。地域との繋がりを感じられる、かけがえのない時間です。

職員の想いと工夫

もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。“かんなびのさと”の利用者の皆様は、それぞれに合わせた食事形態で食事をされています。自由に商品を選んでいただきたい気持ちはあるものの、「これは食べられるかな?」「飲み込めるかな?」と、希望される商品と実際に口にできる商品との間で職員は日々、細やかな調整を行っています。それでも、利用者の方々の笑顔のため、少しでも「当たり前の喜び」を届けたいという強い想いが、そこにはあります。

 

「当たり前」の積み重ねが未来を拓く
セブンイレブンの移動販売車が特別養護老人ホームにやってくる。
一見すると、ただの買い物風景かもしれません。しかし、この小さな出来事の中には、「地域との繋がり」「選択する喜び」「生きがい」といった、私たちが大切にしたい「当たり前」がたくさん詰まっています。

 

誰もが地域の中で自分らしく暮らせる社会

今回のセブンイレブンの移動販売車の取り組みは、そんな未来に向けての、小さくても確かな一歩だと感じました。これからも、地域に根差した、温かい福祉の輪が広がっていくことを願っています。

 

かんなびのさと 施設長 山元