ご利用者さんの小さな変化や知らない一面に触れることが、やりがいに繋がっています

上山友輔さん
「にじょう」勤務
神戸学院大学大学院(心理学専攻)卒。公認心理師・精神保健福祉士。
4年目スタッフ。
人間味を感じられる仕事に就きたい
大学では心理学と公衆衛生学について学び、修士論文は「心理療法へのアクセス改善」がテーマでした。うつ病などいくつかの精神疾患に対して効果的な心理療法はありますが、精神科や心療内科等を利用する人がまだまだ少なく心理療法が活かされていないのが現状。そこに課題を感じ、公衆衛生的なアプローチを用いて心理療法を提供する方法を検討しています。精神保健福祉士の資格は、大学を卒業してから大学院に進学するまでの間に、夜間の専門学校へ通い取得しました。
大学の先生から「福祉施設での募集があるよ」と紹介してもらったことが、福祉の仕事に関心を持ったきっかけです。もともと「人」についての興味が強く、人間味を感じられる仕事に就きたいと思っていたんです。福祉の現場ではご利用者さんの感情や行動がストレートに表れますし、働くスタッフにもその人らしさが出る場面がたくさんあります。ご利用者さんの日常を間近で見られるのはとても新鮮で、普段の生活では得られない経験が多いことも福祉に惹かれた理由のひとつです。
ただ、医療・福祉領域で実習をさせてもらったときは衝撃の連続でした。施設に便が落ちていたり、言葉より先に手が出てくる方もいたり、むせながらも延々食べ続ける方がいたり。今までの僕の生活の中では会ったことのないご利用者さんにお会いした衝撃は、今でも覚えています。それでも、福祉の道へ進むことに迷いはありませんでした。今でもそうですが、やっぱり人に興味があるんです。人への興味が尽きない限りはがんばっていきたいと思っています。
ご利用者さんの笑顔や知らない一面を見られる喜び
今所属しているのは、施設入所支援や生活介護、短期入所、共同生活援助を行う「にじょう」です。私のユニットには20名のご利用者さんがいて、みなさんの生活を日々見守っています。
施設では、1年を通して夏祭りやにじょうフェスタなどのイベントもいろいろと計画しています。印象的だったのが、普段はあまり自己表現をしないご利用者さんが、スーパーボールすくいを始めると昔の経験が蘇ったのか、手慣れた様子で次々とすくっていたこと。なかには金魚すくいをされたことがあるのか、まるでプロのような手つきで上手にすくう方もいて。その姿には驚かされたと同時に、私が知らないだけで、これまでいろいろな経験をされてきたんだなと感じました。
ご利用者さんの新しい一面を発見したり、笑顔で取り組む姿から過去の経験や思い出に触れることができたりと、支援者としてのやりがいを強く実感しています。そんな発見も日々支援する喜びに繋がっています。
小さな変化に触れることが、支援のやりがいに
この仕事で特にやりがいを感じるのは、ご利用者さんが日々少しずつ変化していく姿を近くで見られることです。24時間ご利用者さんの生活に寄り添うことは大変ではあるけれど、自分でパジャマや寝具を準備できるようになったり、それによって笑顔が増えたり。少しずつできることが増える様子を身近で一緒に喜べるのは大きなやりがいです。
また支援だけでなく、スタッフの働きやすい環境を整えることにも関心があります。スタッフがせかせかしているとご利用者さんにもそれが伝わってしまうから、心の余裕も大事。支援が効率よく進むように事務作業の一部を電子化したり、食事やトイレの誘導のタイミングを少しずつ調整してスタッフの負担を軽減する方法を考えたりと、いろいろなアイデアを試すことができる環境なのも仕事へのモチベーションになっています。
最近、ユニットで高齢知的障がいの方に対する支援方法を検討していきたいと考えており、今年の10月には国立のぞみの園で現任者研修を受講しました。新しい支援方法を自分なりに提案して現場で実践させてもらえるのも、この事業団の懐の広さだなと感じています。
ご利用者さんの個性や愛されポイントを見つけられる人
この仕事には正解があるわけではなく、状況が変わるなかで臨機応変に対応しなくてはならない場面も多々あります。その都度、ご利用者さんの気持ちに寄り添いながら柔軟な姿勢で向き合うことが大切だと感じています。
いろいろな状況を楽しみながら、良い意味で楽天的に、「人間だからそういうときもあるよね」と受容できる人、ユーモアを持って対応できる人は、きっと福祉の現場でその力を発揮できるんじゃないかと思います。
日々接していると、ご利用者さんの個性や愛嬌を発見することがあるんです。誰でも愛されポイントを持っているはず。スタッフの間でもよく、ご利用者さんにこういうことをされて嬉しかったよとか、朝来たときに玄関まで来てくれてハイタッチしてくれたよといったような会話が飛び交います。でもその数十秒後、急にコップを投げられたりするんですけどね(笑)。それもその方のおもしろさ。そんな風に、愛されポイントみたいなのものを見つけるのが上手な人と一緒に、より良い環境を作っていきたいと思っています。